Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lisez 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 135 005 caractères · 262 écrans
袋の中から耳掻きに一ぱいほどの物を出して、水を入れて火の上にかけると、たちまちのうちに一鍋の真白な米の飯が出来た。それを主人夫婦にも食べさせて、お前たちは誠に立派な人だ。今に隣の長者一族が猿になって山に入ってしまうから、その跡に入って住むことにしてやろうと言った。その旅人は実は神様だったのである。
長者は神を粗末にした罰で、果たして猿になってその家にはいられなくなる。正直な貧乏人は代りにその屋敷を持つことになったが、沖繩の話ではその猿が恨み悲しんで、毎日山から来て門の石に腰かけて啼いた。どうしたら好いでしょうかとまた神様に窺うと、そんならその石を熱く焼いておいて見よとのことなのでそうすると、それを知らずに来て腰をおろし、尻を焼いて飛び上って逃げて行った。それから今でも猿の尻は赤く、猿の手は真黒に汚れているのだとも、またもとは染物業だったからともいっている。すなわちもう結果を子供が笑うように、童話とかいうものの形にしているのだが、もとは今一段と人が信じ得るような言い伝えであったことは、古い書物との比較によってわかって来るのである。
その古い話というものの一つは、広島県備後の疫隅宮という神社の由来で、これは延長年間の風土記に出ていたというが、それが事実であっても弘法大師よりはずっと新しい。