Classiques japonais avec furigana
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ねんじゅうぎょうじおぼえがき
年中行事覚書
柳田 国男
Lisez 年中行事覚書 (ねんじゅうぎょうじおぼえがき) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 135 005 caractères · 262 écrans
正五九月の年三度という中では、正月に力を入れるものが多く、京都の付近なども、二十三夜は正月のものと思っている。そうして祭の仕方はほぼ同じなのである。正月は祝い月で、一般に人の心に余裕がある。静かに一夜の祭を営むに適していたとも見られるが、なおそれ以上に一年に一度、この日を定めの日として遙々と訪れたまう神があると、今も信じている処もあるのである。
伊豆七島では大島から三宅島まで、すなわち八丈を除いた六つの島で、その神を日忌様、その日を忌の日というのがそれであって、今では二十五日を中心と見ているらしいが、祭の謹慎の始まるのは、やはり二十四日の前の宵からである。島々村毎に由来談はちがうけれども、それを見比べるともとの伝えはまだ判る。この夜島々に近よる畏ろしいものがある。昔悪い代官を殺した祟りだの、それを殺した七人の者の霊だの、または海難法師という化け物だのというのは、余りにこの祭の前の物忌が厳しく、その戒めを犯した罰が怖ろしかったためで、ある島では夜深く神が上陸して島をお通りなされ、それを神職だけがお迎えに行くといい、普通の住民は皆日の中から戸を閉じて、ことりという音もさせぬようにしていた。