Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans
何かお心当りがあるのですか」
美津子は首を横にふった。
「お嬢さんは熱海にお友達でもいらっしゃいませんか」
「なぜですの」
「熱海へ遊びにいらっしゃることがなかったのですか」
「二三度でかけました。親戚があるのです」
「熱海のどのへんに」
「伊豆山です」
「熱海銀座の方は散歩にでかけられなかったのですか」
「行ったことがあります」
「そのとき、街頭募金の白衣の傷病兵を見かけませんでしたか」
「見たことがありました。募金箱へお金を入れてあげましたから」
「そうですか。それでは時期が違うようですね。いつごろですか」
「今年のお正月のことでした」
「それは残念です。今年の四月末、五月ごろでしたら、あなたは白衣の安彦さんをそこで見ることができたんですよ。安彦さんは毎日街頭募金にでゝいたのです」
美津子は警部を見つめたままである。ややあって、口をひらいた。
「それではニセモノでしたのね。身許がわかったのですか」
「残念ながら、わかりません。名なしの権兵衛なんです。生国も属した部隊も一切不明です。ただ便宜上、織田秀吉という珍名を名乗っていました」
「身許を知る方法はありませんの」
「全然ないのですよ。