Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans
「ハテ、定期券ね。安彦君の所持品に、定期券があったかね」
「ありません。彼の荷物はフロシキに包んだ洗面具だけです。そのほかに、チリ紙若干、鉛筆一本」
「小田原駅のタクシーの運転手も、紙片を示されて乗せてきたと言ったが、その紙片はあるかね」
「ありません」
「まア、紙キレぐらいは、仕方がないな。掃除の時にはきだしたかも知れないからな。しかし、定期券がなくなるのはおかしいね。貪慾だというから、捨てることはなかろう。それとも、十六日に期限がきれたから、それをシオに、アルバイトを中止して、実家へ戻ったというわけかね」
「定期券の期限は調べませんでしたが、伊東の駅員も、彼が定期で通っていたことは証言がありました。九月十六日は、あるいは、期限の切れた日かも知れません。なんしろ、毎日のことですから、土地の人はだんだん冷淡になりますし、夏枯れで、温泉客もなく、夏からズッと収入が減っていたそうですから、里心がついたのかも知れません。とにかく、一ヶ月前あたりから、小田原の実家へ帰る、という意志をもらしていたことは、まちがいありません。筆談ですから、印象も強いわけです。実家はどこか、と問うと、オダワラ、と片仮名で書いて示したそうです。