Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふくいんさつじんじけん

復員殺人事件

坂口 安吾

Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans

Aozora Bunko

「ギッチョに字を書かせてごらん。まア、たいがいは、右もスラスラ、左もスラスラさ。左は本来の名人。右は、それを練習しないと、学校の先生が怒るよ」

と、カラカラ笑った。

それから美津子の部屋で、アルバムから安彦の写真をさがしてもらって、我々はイトマを告げた。

自動車の中で筆蹟をしらべると、重吉をのぞいて左手の字というものは、みんな殆ど同じようなものだ。第一、男女の性別すらも殆ど見当がつかない。

大矢主任は、そのまま自動車を駅へ走らせた。例の運転手は、ちょうど駅前に駐車していた。

「どうだい。この中に、君の見たのと似た筆蹟があるかい」

ときくと、彼は一つ一つ見終って、

「似てるといえば、みんな似てますよ。私が見た紙キレには、これに似た字があったから、ハハア、左手で書いたな、と思ったのです。この紙です。これは字が半分ぐらい裏がえしになっていますが、私の見たのは、小田原の小が「※」に裏がえしになっていました。原の字の下の小も裏がえしになっていたようです。小峰の峰が裏がえしだったかな。とにかく、一目で、左手の字だな、と思いましたよ」

彼が指摘したのは定夫の書いたものだ。