Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふくいんさつじんじけん
復員殺人事件
Lisez 復員殺人事件 (ふくいんさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 621 caractères · 195 écrans
そこには、更に言外の意味があるようであった。もっと怖しい何かを博士は予知しているのではなかろうか。その、すさまじさが、私に次第にしみこんできた。無理もない。私の気のつくことが、おそすぎたのだ。誰も博士に箱根くんだりへ来てくれなどゝ依頼してはいないのだ。しかも博士は、やにわに、箱根を――いや、云うまでもなく小田原だ、小田原をさして急行しているではないか。
小田原へついたのが、ちょうど夜の九時半。私が箱根行きのタクシーをつかまえようとすると、巨勢博士が私を制した。
「ちょッと、より道があるんでさア。まア、ちょッと」
博士は私を自動電話の方へひっぱって行った。
「ちょッと、ここの捜査主任に会って行きたいんですよ。捜査主任は知り合いなんです。先に、この署の事件に僕が手をかしてやったことがあるものですからね。警察なんてところは、昼間行くもんじゃありませんや。一人一人会ってみれば、みんな当り前の人間なんですが、商売意識という奴で、警察全体の感じというものは、二度と足をふみ入れたくないものですな」
自動電話のボックスへ行くと、先客があった。洋装の、いかにもスラリとした、ダンサーとでもいうような感じだが、今私たちと同じ汽車で東京から着いたものらしい。