Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans
と、伝達して戻った。
信雄は、ほっとした。そのとき、次室には、佐々平左や、与左衛門も、姿をひそめて、佐吉の口上を聞いていたので、
「聞いての通りじゃ。すぐ成政に告げて、これへ来るように」
と、云い遣った。
ただし、この助命の成功は、信雄の力よりも、利家の命乞いによるような形になり、信雄は何かつまらない気もちがした。
やがて、ふもとの寺院から、成政一名、登って来た。
頭をまろめ、染衣をまとい、さしも数年にわたって、北陸の山野を震わしていた猛虎も、いまは手頸にかけた一聯の数珠に、自分で自分の覇気を縛めていた。
佐々成政は、さきに、柴田勝家とも組して、秀吉に反抗し、そのときも、柴田滅亡のあとで、降伏した。
こんどは、二度目の降参である。
その逞しい叛骨を、坊主あたまと、法衣につつんで、彼は、間が悪そうに、信雄について、秀吉の前へ出た。
秀吉はにやにや笑い顔をして迎えた。
ふと、その笑顔を仰ぐと、成政は顔をどす赤くして、何かいおうとした言葉も出ず、黙って、平伏した。
「成政事、切腹をも、お申しつけられるべきのところ、御寛大なお沙汰をうけ、感泣しておりまする。