Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 186 659 caractères · 372 écrans

Aozora Bunko

そして、あの物に大まかな叔父も、一たび怒ると、肉親であれ眷族であれ、仮借せぬぞ――というきびしい人間であったことを、今さらのように、知ったにちがいなかった。

為に――長久手の醜態は、かれとしても、後々まで、身に沁みぬいたこととみえ、ずっと、後年の話にはなるが、こんな挿話まで残っている。

関白秀次と、徳川家康とが、或る折、将棋をさした。すると家康が、相手の王のコマをさし詰めてゆくたびに、

「お手なみは先刻承知。追っつけて進じょう。追っつけて進じょう」

と、口ぐせに、くり返しては、攻めていた。

すると、そばで見ていた細川三斎が、しきりに、袖をひっぱるので、家康も苦笑して、いうのを止めたが、やがて退出して帰るとき、三斎がまた隙を見て、家康へ注意した。

「どんな場合でも、関白様の前で、長久手のはなしは、禁句ですよ。殊に、将棋の上などで、あのお口ぐせは、よくありません。……ほかの所で、祟らぬとは限りませんからな」

家康は、口を抑えて、

「沙汰なし、沙汰なし」

と、云って別れた。そして後から三斎へ、その好意の礼にという意味か、黄八丈の反物を送った。三斎はその黄八丈を着ると、老後にも、思い出して、よくその話をしては笑ったという。