Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

「左馬どの、左馬どの。なおお訊きしたいことがある。もういちど姿を見せられたい」

「おう、何事」

ちらと、また光春が、下を覗いた。

「ほかでもないが、いま受け取った数々の重器のうちにも、かねて明智衆にありと聞く、世に名高い吉広江の脇差は、目録にも見えぬが、お取り出しを忘れたのではないか。――もし御失念なれば、庫中からお持ち出しになる間、お待ちいたしてもよいが?」

すると、左馬介光春は、呵々と笑って、

「あれは平常、日向守様が、特に御鍾愛の名刀。わけて明智家には、由緒ふかい品でもあれば、やがて死出の山にて、光秀様にお会いしたとき、お手渡しいたさんものと思うて、わざと取りのぞいておいたのでござる。――はや火も本丸まで燃えついて来たようですから、余事を申しておる遑もない。監物どの、いざ、攻めかかられよ」

ことばの下から、ぐわんッと異様な音がした。光春は一閃の火光と黒けむりの裡にかくれ、矢倉の狭間のすべてから、同時に濛々と硝煙がふき出した。

次の一瞬には、轟然と、全楼ことごとく、一火となって崩れて来た。火薬を積んで自爆したのである。

坂本城は、明智方最後の一拠地だった。