Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans
「それがこうして、無事を見合うことができたというのも、そなたの取った道が、神仏の御旨にかのうたからであろ。……さ。寧子もこれへ寄ったがよい。揃うて、お礼を念じましょうぞ」
老母はそういって、正面の聖観音へむかって坐り直した。
そのときまで寧子は、良人と母の間よりも、もっと離れて、ただつつましく坐っていたが、老母にそういわれると、はい、と静かに立って御堂の内陣へあるいて行った。
二つの吊燈明と龕の内へ燈を入れに行ったのである。そしてもどると、初めて良人の隣に坐った。
母子三人は姿をならべて、ほのかな明りへぬかずいた。秀吉は頭を上げて凝視したのち、ふたたび三礼をなした。聖観音の御厨子の側壇には、主君信長の俗名をしるした仮の位牌が仰がれたからである。
それがすむと、老母は初めて、心の重荷も降りたように、
「寧子よ」
と、やさしく呼びかけ、
「この子は、風呂好きじゃ、湯浴みのしたくはさせてあろうの」
「はい。おつかれを解くには、何よりはそれと思いまして、大急ぎで今、させておりまする」
「そうか。ともあれ、汗など流させたがよい。母はその間に厨へ行って、何ぞ、この子の好物でも調理させておきましょう」