Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

「筑前守からも、よろしくとお申し伝えでございまする。なお、詳しくは、御書中に」

と、勝家へそれを手渡した。

勝家は疑って、なお書面はすぐ披きもせず、まじまじと半七郎を見てたずねた。

「お身は、丹波どのの近侍と申すが」

「はい」

「丹波どのには御健固かの」

「おすこやかにいらせられまする」

「御成人なされたろうな」

「はや、十五歳にお成り遊ばされます」

「ほ。もうそうなられるか。――早いものよな。久しゅうお目にかからぬで」

「今日は、お父君のおいいつけを奉じ、垂井の駅までお迎えに参られておられまする。後刻、お宿において悠々お話し下されませ」

「な、なに……?」

勝家は、吃った。

床几の一脚が、小石を噛み外して、彼の重い体と一しょに、心までを、がたと驚かしたのであった。

いうまでもなく、羽柴丹波守秀勝は、信長の子の末のほうの一男だったが、幼いうちに、秀吉が乞うて、養子としていた者である。

「迎えにとは、誰を? ……。誰をな?」

勝家は訊き直した。

「もとより、あなた様を」

半七郎は扇面を顔にかざして笑った。相手の瞼や唇が余りに複雑な痙攣をしてやまないので、微笑を怺えきれなくなったものとみえる。