Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 758 caractères · 383 écrans
秀吉の親としての気持も、信長の死後は一しおいじらしさと慈しみを加えていた。
「わしも四十七歳、はや老武者の組に入りかけて来たが、このたびの合戦こそは、畢生のもの、先君のとむらい合戦、いざといわば、みずから鑓も持ち、太刀打ちもなす覚悟でおる。――が、年はあらそえん、食物を精進物に限っておると、何となく力づかぬ。そこでわしは今日をもって、精進を廃めるが、お許らは、若いのだから、なお、精進をつづけておれよ」
「はい」
秀勝は明答した。久太郎秀政もうなずいた。
「――次には」
と、秀吉はなお語をつづけて、秀勝へ諭した。
「敵の日向守光秀は、お許にとっては親のかたきたり、また主の仇たり、申さば、二重の敵である。いうまでもないことながら、光秀を討たずして、お許の生命は天地にあり得ない。誰よりもさきに先陣せよ。わしより先に討死せい。養父も汝の健気を見とどけた上で討死いたすであろう」
「かならずおくれは取りませぬ」
秀勝は両手をつかえた。諸将は厳粛な気に打たれていた。秀吉がこの勝敗に一死を期している容子は、疾く姫路から見ていたが、さらに、強固な覚悟を、敵近きこの尼ヶ崎へ来て、ふたたび胆に銘じ込まれたのであった。