Classiques japonais avec furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
「四十になって初産する人だって、世間には随分ありますよ。お庄ちゃんだってなにかと言ってるうちに、もうじき三十ですよ。」
「三十ですって……。」お庄はあまり嵩高なような気がして、そんな年数の考えが、どうしても頭脳へ入らなかった。
「私三十なんて厭ですね。」
「厭だってしかたがない、もう目擦る間だから。それにお嫁にでも行って自分で世帯を持ってごらん、それこそすることは多くなって来るし、苦労は殖えるばかりだし、年を拾うのがおかしいくらい早いものですよ。」
産婆が、手提鞄をさげてやって来ると、叔母は四畳半の方へ自分で蒲団を延べて、診てもらった。
「男か女か、まだ解りませんかね。」叔母は腹を擦っている産婆に気遣わしげに訊いた。
お庄は手洗い水を持って行って、襖の蔭で聞いていた。
「そうね、解らないこともありませんよ、まア男と思っていらっして下さいませ。何しろ大きゅうございますからね。おおこの動くこと。」と、九州訛りのあるその産婆は、これが手、これが肩などと言って、一々妊婦の手に触らせていた。
「六月やそこいらで、そう育っているのでは、お産がさぞ重いでしょうね。」叔母はまた自分の年取っていることを気にした。