Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lisez 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 346 393 caractères · 692 écrans
男の子が一人欲しいようなことを言ってるけれど、やらずかやるまいか、まアもっと先へ寄ってからのことだ。」
そのころから、父親はよく夢中で新聞の相場附けを見たり、夜深に外へ飛び出して、空と睨めッくらをしたりしていた。朝から出て行って、一日帰らないようなこともあった。するうちに金がだんだん減って行った。四月たらずの居喰いで、目に見えぬ出銭も少くなかった。
「手を汚さないで、うまいことをしようたって駄目の皮だぞえ。為さあらまだ苦労が足りない。」下宿屋の主婦は留守にやって来ると、妻に蔭口を吐いた。そして、「お安さあもお安さあだ。これまで裸に剥がれてこの上何をぬぐ気だえ。黙って見てばかりいずと、ちっと言ってやらっし。」と言ってたしなめた。母親は、切ないような気がして、黙っていた。
母親は、押入れの葛籠のなかから、子供の冬物を引っ張り出して見ていた。田舎から除けて持って来てた、丹念に始末をしておいた手織物が、東京でまた役に立つ時節が近づいて来た。その藍の匂いをかぐと、母親の胸には田舎の生活がしみじみ想い出された。
父親は一日出歩いて晩方帰って来ると、こそこそと家へ上って、火鉢の傍に坐り込んだ。