Classiques japonais avec furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans
羽後の神宮寺の道祖神を始とし、祭の日に神体に米の粉をふりかけるというなども、乾いた粉の得にくかった時代には、やはりこのオノリを注いだものと思う。同じ習慣は東北地方、ことに旧南部領の盆の墓祭りの時にもある。やはり多くの他の食物とともに、この白色の粉を解いた液体を墓場の前と周囲にまき散らすので、土地ではこの行事をホカヒと謂っている。ホカヒはもと食物容器の名、すなわち盆(瓮)という漢字の和語であった。中部以西の盆の精霊棚には、この白い米の水のかわりに、鉢に水を入れたものを具え、ミソハギの枝をもって供物の上にふり掛け、または墓参の往復にもこれを路上に注ぐが、その水鉢の中へは茄子や豆などの細かく刻んだもののほかに、家によっては米粒を入れておく。それを「水の実」とも、また「水の子」とも謂っている。起こりは皆一つであろうと思う。今では何故にそういうことをするのか、説明し得る者は一人も無いけれども、いずれも祖霊に供養するものであるからには、本来は我々の晴の日の食物で、人だけは嗜好が転じてこれを食わなくなっても、御先祖には前通りのものを進めていたわけで、すなわち日本の晴の食事にも、やはり時代の変化があったのである。