Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lisez 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 586 caractères · 348 écrans

Aozora Bunko

今日の内地のニホまたは稲村なるものは、名は稲村であるが実は藁ばかりを積んでいる。余程の交通不便な山奥でもないと、もうこんな事をして家の外に、稲を積んでおくことは不安になったが、以前は是もまた稲ニホであったかと思われる。東日本でこれをニホまたはニョーと謂うに対して、西の方にはホヅミという語があり、転じてはコヅミ・スズミ・ススキなどと呼んでいる土地がある。十月雨の少ない中国や九州では、今でも収穫の作業を田で片づける風があり、遠くから見通して自然に番のできる処では、稀には籾を蓆囲いにして、田の真中に置いてあるのが、汽車の中からでも眼につくことがある。是は農業経済の問題ではないが、秋の穀祭のめでたく終るまでは、生産物を家に持ち込むことができぬというような信仰が、或いはまだその痕跡を留めているのではないかとも考えられる。

とにかくに摺臼や唐箕が採用せられて、玄米の俵が商品となるまでの間は、稲作作業の終局と考えられたのは、稲扱きという仕事が済んだことであった。この期間はいわゆる俵藤太在世の頃に起こり、近くはほとんと維新の間際まで、約千年の久しきに亘っていた。