Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
妹が為め菅の実採りに行きし吾れ山路に惑どひ此の日暮しつ
これまでの万葉学者は何れもこの歌の菅の実をも古名ヤマスゲの麦門冬であると解している。すなわちこの麦門冬の実は子女が玩ぶものゆえ、それでそれを採りに行ったとしている。
しかるにここは決してそうではない。このスガノミはこれもやはり前の歌の様にそれはガマズミの実である。すなわちこの歌の意は衣を染めん料にとしてそれを我が妻に与えんがため山へガマズミの実を採りに行き、そのものを捜しつつ山中をそちこちと彷徨うて歩き廻り、遂にその日一日を山で暮して仕舞ったというのである。これはつまりその実を成るべく多量に採り集めんがためであったのであろう。
ここに妹というのは何にも麦門冬の実をお手玉にして遊ぶほどの幼女ではあるまい。人の妻にでもなろうという程な年輩の女には最早こんな幼稚極まる遊びには全く興味はない。ゆえにこれを万葉学者がお定まりの様にいっている麦門冬なるヤマスゲ、すなわち今名リュウノヒゲとするのは全く誤りである。しかしこれを手玉にするのではなくその藍色の実を染料にする目的と仮定しても、それは前にも述べた様に全然不可能な事に属する。