Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
しかしチサノキすなわちチシャノキには三種あって、単にチサノキでは実はその中の何れを指しているのかそこにその樹の解説が無い限りは、果してそれが何れであるのか明瞭では無いという事になる。
右のチサノキの三種というのは、一はエゴノキ科のチサノキ(一名チシャノキ、ズサ、ヂサ、コヤスノキ、ロクロギ、チョウメン、サボン、学名は Styrax japonica Sieb. et Zucc.)であり、二はムラサキ科のチザノキ(チシャノキ、トウビワ、カキノキダマシ、学名は Ehretia thyrsiflor Nakai)であり、三はクスノキ科のヂシャ(一名ズサ、アブラチャン、コヤスノキ、フキダマノキ、ムラダチ、学名は Lindera praecox Blume)である。つまり万葉歌の山ヂサをしてこの三樹木の何れかに帰着せしめ様とせんとて、昔から現代に至る万葉学者をヤキモキさせているのである。
私の考えでは、もしも仮りに万葉歌の山ヂサを上の三種の何れかに当てはめて見るとしたならば、それはエゴノキ科のチサノキすなわちエゴノキであらねばならないであろう。何んとならばこの樹は諸州に最も普通に見られ、かつその花は白色で無数に枝から葉下に下垂して咲きその姿は頗る趣きがあって諸人の眼に着き易いからである。