Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しょくぶつき

植物記

牧野 富太郎

Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans

Aozora Bunko

が一向に利かない。もしこれらの花色が紫か藍でもであったら、それは移ろう色、すなわち変り易い色、褪め易い色であるから「移ろひ」がよく利く。白色には「移ろふ」色は無く、咲き初めから散り果つるまで白色で何時までたっても白花である。ゆえにこの歌の山ヂサは決して白花の発らくエゴノキ科のチサノキでもなければ、またムラサキ科のチサノキでも無いという結論に達する。

それから上の第二の歌には「白露重み」とある。それはチサノキすなわちエゴノキの下垂している花に露が宿れば無論重たげになるのは必定ではあれど、仮令いこの樹の花が露に湿うていても、これを望んで見るに一向に露を帯びている様な感じのせぬ花である。全くこれはサラサラとした花で、かつ始めから吊垂して咲いているから、仮りに露を帯びたとしても、それがために重た気に見ゆる事はない。ゆえにこの花は露を帯びていてもまた帯びていなくても一向そこに見さかいのない花である。歌には「白露重み」とあるから、もっと露を帯びたら帯びたらしい姿を呈わし、これを見る人にもそれがはっきりと判かる様でなければならない理窟ではないか。ゆえにエゴノキのチサノキを同じくこの歌に充てるのは私は不賛成であり、殊にムラサキ科のチサノキに至っては全く顧るに足らない論外者である。