Classiques japonais avec furigana
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しょくぶつき
植物記
牧野 富太郎
Lisez 植物記 (しょくぶつき) de 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 165 848 caractères · 327 écrans
「燕子花と誤認せられたカキツバタ」のキャプション付きの図
燕子花と誤認せられたカキツバタ
右にてカキツバタの語原はよく解るであろう。因にいう、ここに一つの私の発見がある。それは上の文章中に引用してある万葉歌の真鳥住云々の歌中に在る菅の実の事であるが、ここには通常スゲ(Carex)の場合に慣用せられている菅の字が使用せられてあるので、これはやはりスゲの事だと速了すれば忽ち誤謬に陥る事に成る。また思い廻らして見ればスゲの実も根も一も染料に成るものは無いから、その点から観てもそれがスゲで無い事が判かる。しからば右の歌のスガは何か。仮令ここにはスゲに慣用せられている菅の字が用いてあってもそれは決してスゲその物では無くて、その的物は正にスイカズラ科の落葉灌木なるガマズミである。この木は諸州何処にも普通に見られ神社の藪などにも少なくない。夏に白い細花が枝端に聚り咲いて秋に赤い実が熟し赤い汁があって味が酸い。ゆえによく小児が採って食い、地方によるとこれを漬物桶に入れて漬物へ赤色の色を添える。今はこれを染料に利用している事は無い様だが、昔は衣に摺り付けてそれを赤色に染めた事を上の歌が証明しているのは面白い。