Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 285 caractères · 330 écrans
「知ってはいないか」と甲斐は穏やかに云った、「知らなければ知らぬでいい、刺客というものには、多くのばあい煽動者がある、なにが真実であるかをみきわめる能力がなくて、血気にはやる人間は少なくない、そういう者はたやすく人に動かされ、すぐ壮烈な気分になって、どんなことでもやってのけるものだ」
「私がその、煽動者だというのですか」
「どちらかというと、私はあまりうぬ惚れるほうではない」と甲斐が云った、「首を覘われていることも、煽動者の多いことも、私にはたいして関心がない、そんなことよりまえに、侍の奉公というものはつねに命を賭けたものだ、と教えられたときから、私はいつも死と当面して来たし、死のおそろしさを知って来た、あんまり死を考え、死をおそろしいと思い続けたために、いまでは生よりも死のほうに親しさを感じているくらいだ、こんなことを口にするのは初めてだが、おそらく七十郎にはわかるまい、――小野が危篤だと聞いても、やすらかな往生を願うほかに、私にはなんの感慨もなし、また遺言などをことさら重大だとも考えない、それだけだ」
そして甲斐は廊下へ出た。
七十郎は棒立ちになっていて、甲斐が出てゆくのに気づき、なにか云いかけようと、あとを追って出たが、そのとき玄関のほうから、若い家士が出て、「一ノ関さまからまたお使者です」