Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 167 285 caractères · 330 écrans

Aozora Bunko

下さるようにお願いします」

「それほど、仙台のことが大事なのか」

七十郎は、はい、と頷いた。

「仰しゃるとおり、わが家は伊達家から一粒の扶持にも、あずかっておりません、なんの恩顧もないと、云えば云えるかもしれませんが、領内に住み、代々安穏にすごして来たという事実は動かせません、たとえ主従の関係はなくとも、領内に安住している以上、その家中に不祥の騒動が起こっているのを、よそ眼に見すごすわけにはいかないと思います」

「はっきりした名分だな」と宗休は苦い顔をした、「そんな名分を付会することはない、好きだからやる、と云うだけでいいのだ」

「しかし父上」

「もうよし、わかった」と宗休は手を振った、「ただひとこと云っておくが、無謀なことをして、親兄弟に災禍を及ぼしてはならぬ、それだけはよく心得ておけ」

七十郎は北村に滞在するあいだ、父の言葉が胸につかえていた。

――親や兄弟に災禍の及ばぬようにしろ。

父も年をとったな、と彼は思った。兄は父が気が衰えたと云ったが、正しくそのとおりであろう、まえにはあんなではなかった。あんなめめしいことを云う父ではなかった。男の子が事を為そうというばあい、「親きょうだいに迷惑をかけるな」