Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

こないだのようなことをなさると、お父さんだって、默っちゃいらっしゃらないでしょう。」

「ううん? 父さん何も言わなかったよ。」

「そう? お母さんは?」

「母さんも、何も言わなかったよ。」

「ほんと?」

お浜は不思議そうに訊ねた。

「ほんとうさ。このごろ母さんは、僕をあまりいじめなくなったんだい。」

「そう? それは次郎ちゃんがお利口におなりだからでしょう。」

次郎はきまり悪そうな顔をしながら、

「こないだ絵本を買ってくれたよ。」

お浜は、つい十日ばかり前に、正木のお祖母さんに、「お民もこのごろ少し考えが変って来たようだから、安心おし。」と言われたことを思いあわせて、いくらか明るい気持になった。

そして、次郎の頭をなでながら、しばらく何か考えていたが、

「では、次郎ちゃん、もうお帰りなさいね。乳母やはこれから、正木のお祖母さんとこに伺って、それからじき次郎ちゃんとこに行きますわ。お母さんがいいっておっしゃったら、今夜は一緒に寝ましょうね。」

二人は手をつないで立ち上った。そして、校門を出ると、言い合わせたように立ち止って、校舎を見上げた。

もうその時は、最後の運搬者たちが引きあげたあとで、物音一つしない古い校舎が、黄色い夕陽の中に、さむざむとしずまりかえっていた。