Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

しかし、すぐ坐りこむのも何だか恥ずかしかったので、彼は立ったままもじもじしていた。

「ね、いいでしょう、お母さんにおねがいしとくわ。」

「次郎ちゃん、ご飯たべていけよ。由ちゃんをなぐるのは、明日でもいいや。」

竜一も、友達を自分の家の食卓に迎える楽しさに胸を躍らせながら、次郎の手を引っぱった。

「明日になれば、由ちゃんだって、もう喧嘩なんかしたくなくなるわ。だから、今日は外に出ないことよ。なんなら、泊っていってもいいわ。」

次郎は由夫のことなんか、もうどうでもいいような気になって、すっかり落ちついてしまった。

夕飯は、茶の間の涼しい広縁で、大勢と一緒だった。漆塗の餉台が馬鹿に広くて、鏡のように光っているのが、先ず次郎の眼についた。金縁の眼鏡をかけた竜一の父が、ちょうど彼の真うしろに、一人だけ膳についていたが、次郎は、たえず背中をみつめられているような気がして、窮屈だった。しかし、春子が何かと気を配って彼の世話を焼いてくれるのが、たまらなく嬉しかった。彼は、正木の家でのように、自由にたらふく食うことは出来なかったが、何かしら、これまでに知らなかった食卓の潤いというものを、子供心に感ずることが出来た。