Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

で、後の方から、いそいでお辞儀をして、すぐ寝間に行こうとした。するとお祖父さんは、

「次郎は相変らず元気じゃな。」

と、彼の方をふり向きながら、眼元に微笑をたたえて言った。

「ええ、ええ、もう元気すぎて、さきざきどうなるものでございますやら。家がこんなになるのも平気だと見えまして、一日じゅう、ああして売立を見物しているのでございますよ。」

お祖母さんは、そう言って、いかにもわざとらしい、ふかい吐息をついた。

「ほほう、見ていましたか。……どうじゃな、次郎、面白かったのか。」

「面白くなんかありません!」

次郎は憤然として答えた。

「面白くない?……ふむ。」

と、正木のお祖父さんは、静かに眼をつぶって、また顎鬚をしごいた。

「でも、見るものではないって、あれほどあたしが言うのに、よく一日見て居れたものだね。」

お民が白い眼をして言った。

「僕、刀やなんかが、誰んとこにいくか、見てたんだい。」

次郎の言った意味は、誰にもはっきりしなかった。三人は言いあわしたように、次郎の顔を見つめた。

「でも、竜ちゃんとこに沢山いったから、いいや。」

正木のお祖父さんは、ほっと吐息をもらした。