Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

次郎は、手をふってそれを追ったが、すぐまたその手で、縁板をこすりはじめた。

「次郎や――」と、その時、本田のお祖母さんが、少し膝を乗り出して、声をかけた。

「私も、お母さんと同じ考えなんだよ。そりゃあ、もう、こちら様のご親切は、よくわかっていますが、何といっても、兄弟三人そろっていて貰う方が、私も気が安まるのでね。一人残して置いたんでは、夜もおちおち眠れまいと思うのだよ。」

みんなの次郎を見ていた眼が、気まずそうに畳の上に落ちた。次郎は、じろりと本田のお祖母さんを見たが、すぐその眼で俊亮を見あげながら、きっぱりと言った。

「父さん、僕、ここに残るよ。」

誰も、しばらくは、一語も発しなかった。俊亮も、少しあきれたように、次郎の顔を見ていたが急にわれにかえって、

「そうか。うむ。それでいい。それでいいんだ。……なあに、町までは、たった四里しかないんだから、わけはない。土曜から泊りに行くんだな。」

正木のお祖父さんは、その場の気まずい空気をふり払うように、つと立って縁に出た。

「おお、いい月じゃ、お茶でも入れかえて貰おうかな。」

正木のお祖母さんは、顔を畳にすりつけるようにして、座敷から空をのぞいていたが、