Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

次郎は、そう言われただけでは、むろん返事のしようがなかった。彼はただ、自分のことについて、父が何か重大なことを言い出そうとしていると思って、いよいよ固くなるばかりであった。

「母さんも、もう二三日すると、こちらにご厄介になることになったんだよ。」

次郎はわけがわからなかった。しかし、自分の予想していたこととは、話が大ぶちがっていそうに思えたので、いくらか安心した。そして、まじまじと父の顔を見た。

「お前にはまだ知らしてなかったが、母さんは病気になってね。」

俊亮の声はいやに淋しかった。彼はまだ何かつづけて言うつもりらしかったが、それだけ言うと急に默りこんでしまった。すると正木のお祖母さんが、すぐそのあとを引きとって、愚痴っぽくいろいろと話をした。それによると、お民の病気は肺で、町の狭くるしい、陰気な家にいては、ますます重くなるばかりだから、お祖父さんの発意で、こちらでゆっくり養生することになった、というのであった。

むろん、俊亮の経済的な窮迫とか、本田のお祖母さんの病人に対する仕打とかについては、一言も話されなかった。しかし、次郎は話をききながら、そうしたことについても、大ていは想像してしまった。