Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans

Aozora Bunko

「僕、休みになったら、すぐ東京見物に行くよ。次郎ちゃんは東京に行ったことある?」

次郎は侮辱されたような気がして、ちょっと不愉快だった。しかし、怒る気にはなれなかった。それに好奇心も手伝って、もっと委しい話をきかないわけにはいかなかった。

「いいなあ。東京に親類があるんかい。」

「ううん。まだ親類はないんだけれど、すぐ親類が出来るんだい。」

次郎にはわけがわからなかった。彼は竜一の顔を問いかえすように見たが、竜一はにやにや笑っているだけだった。

「誰がつれて行くんだい。」

そうたずねた次郎の心には、もし竜一の父だと、その留守中、母の病気は誰が診てくれるだろうか、というかすかな心配があった。

「大てい母さんだろうと思うけれど、はっきり決ってないや。僕は父さんの方がいいんだがなあ。」

「でも病人をほったらかしちゃいけないんだろう。」

「だから、父さんはどうしても行けないんだってさ。でも、姉ちゃんは、母さんがついて行く方が好きなんだよ。」

「姉ちゃんも行くんかい。」

次郎は、薬局から当分春子の姿が消えるんだと思うと、急に淋しい気がした。

「姉ちゃんが行くんだよ。だから僕らもついて行くんだよ。