Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lisez 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 159 223 caractères · 320 écrans
俊三の声である。次郎はそれでも默っていた。すると俊三は、ちょこちょこと寄って来て、うしろから片手を次郎の肩にかけ、その耳元で、
「馬鹿やあい。」
と言った。次郎はいきなり右臂で俊三を突きのけた。俊三はよろよろと縁をよろけて、敷居に躓き、座敷の畳の上に仰向けに倒れた。
彼の泣き声は、家じゅうに響き渡った。
お民が出て来て、恭一に言った。
「どうしたんだえ。」
「次郎ちゃんが突き倒したんだい。」
「次郎が? どうして?」
「僕知らないよ。」
恭一は神経質らしく、お民と次郎とを見比べながら答えた。
お民は、しばらく次郎をうしろからじっと睨めつけていたが、何と思ったのか、そのまま俊三を抱き起こして、茶の間の方に行ってしまった。
恭一もすぐそのあとについた。
次郎は、また一人でぽつねんと庭を眺めた。
そのうちに、彼はゆうべの寝不足のため、うつらうつらし出した。そうしてとうとう縁側から地べたにすべり落ちてしまった。
幸いに大した痛みを覚えなかった。彼は起き上ってあたりを見まわしたが、誰もいなかったので、安心した。そして、跣足のまま植込をぬけて、隣との境になっている孟宗竹の藪に這入ると、そのままごろりと寝ころんだ。