Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lisez 死者の書 (ししゃのしょ) de 折口 信夫 (おりくちしのぶ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 340 caractères · 126 écrans

Aozora Bunko

南家の郎女の手に入った称讃浄土経も、大和一国の大寺と言う大寺に、まだ一部も蔵せられて居ぬものであった。

姫は、蔀戸近くに、時としては机を立てて、写経をしていることもあった。夜も、侍女たちを寝静まらしてから、油火の下で、一心不乱に書き写して居た。

百部は、夙くに写し果した。その後は、千部手写の発願をした。冬は春になり、夏山と繁った春日山も、既に黄葉して、其がもう散りはじめた。蟋蟀は、昼も苑一面に鳴くようになった。佐保川の水を堰き入れた庭の池には、遣り水伝いに、川千鳥の啼く日すら、続くようになった。

今朝も、深い霜朝を、何処からか、鴛鴦の夫婦鳥が来て浮んで居ります、と童女が告げた。

五百部を越えた頃から、姫の身は、目立ってやつれて来た。ほんの纔かの眠りをとる間も、ものに驚いて覚めるようになった。其でも、八百部の声を聞く時分になると、衰えたなりに、健康は定まって来たように見えた。やや蒼みを帯びた皮膚に、心もち細って見える髪が、愈々黒く映え出した。

八百八十部、九百部。郎女は侍女にすら、ものを言うことを厭うようになった。そうして、昼すら何か夢見るような目つきして、うっとり蔀戸ごしに、西の空を見入って居るのが、皆の注意をひくほどであった。