Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

落胆した様子で、

「何じゃ」と、改まる。

「今朝ほど、黒書院のお庭先にある梅の木へ、短冊がついておりましたそうな」

「誰ぞ、まずい歌でも認めたか」

「どなたの筆やらわかりませぬが、女文字で、吹上の妖鬼のことに寄せて、不吉めいた歌が書いてあったとやら申します」

「そうか……」と吉宗は苦ッぽい微笑を頬にのぼせて、「女のしたことでは取るにもあたらぬ。捨て置け」

「楓の間御用人鳥居外記様が初めにお見つけになって、そのままどうかなされました」

「それでいい、何事も、聞き流しにしておくがよかろう。いずれ、水戸か、尾州か、吉宗に心よからぬ大奥雀の悪戯じゃろう」

寛容に笑ってみせましたが、世継早々の、三家の葛藤や、大奥と表方との執拗な暗闘など、少しでも、その間の消息を聞きかじッている源次郎の目には、やはりその日の吉宗に、多少沈鬱の気のあったことは見のがせません。

「吹上の悪戯は万太郎の所為じゃ。そして、それを不吉の兆らしく、尾ひれをつけて言いふらすものは、紀州家にそねみをもつ気の小さい大奥の女どもじゃ」

吉宗はこう思って、しきりとそれへの対策を考えておりましたが、いわば内政の醜いこと、明るみへ出して争うのは、新将軍の威厳にかかわる。