Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

と――先に行った吉宗は、鉄のような厚い欅の階段を踏んで、本丸の望楼に上ったようです。

金吾は、それ以上に進み得ず、望楼の下に身を屈めて、ひたすら事なきことを祈っておりましたが、この深夜に、将軍家自身が望楼の上に万太郎を誘って行くなどという行動は、何としても腑に落ちません。

「もしや? ……」彼の想像は彼の肉と血を凍るようにひきしめました。吉宗は、望楼の上に刺客を伏せて、主人を亡いものにしようというのではあるまいか?

そういう例が、支那の歴史などにもないとはいえない。天下の大統をうけついだ吉宗にとって、万太郎の存在は、決して快いものでないことは分り過ぎております。

案じる程のものではありません。上を見ない金吾の杞憂は、あまりにも主人思いな、思い過ごしです。

吉宗に導かれて、望楼の上へあがった万太郎は、太い柱のみで、四壁のない櫓の床に立つと共に、その一方の柱の下に、一灯の明りと、一個の壺と、一個の壇とが、星でも祭るように据えてあるのに目をとめました。

「何であろう? あれは」

「白骨を祭ってあるのです」

と、吉宗は微笑をふくむ。

白骨――と聞いて万太郎は、何となく霧でも吹かれたような寒さを感じました。