Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「ウーム、おぼえていろよ」

寒垢離をして骨ッぱいになった馬春堂が、獅子舞の遠囃子を引っ立ててそこを逃げ出してから暫くして後――。

お粂は髪を直し、濡れた着物をつけ直して率八を長火鉢のそばへ呼び、

「匕首なんぞを抜きゃあがって、ほんとに、お前でも来てくれなければ」

率八の労を多として膳の上を拭き代え、縁起払いにつけ直した酒をお粂自身の手で酌までして与えながら、

「なんてえ、ゲジゲジだろう」

と、なお去らぬ余憤に舌打ちを鳴らしています。

「姐御もまた、何だって、あんな野郎を寄せつけるんで」

「いくら不愛想にしてやっても、のこのこ来るのだから、手におえないやね」

「いつか私が、切支丹屋敷の蔵の中で親分にも話した通り、あいつと道中師の伊兵衛はグルになって、この頃じゃ夜光の短刀を血眼で探し廻っているてえことですぜ」

「ああ、それでだね……」

とお粂のひとみが奥の方へうごいたには気がつかないで率八は、

「ところで、今日来たのもその話なんてすが、生憎と親分は帰ってしまいましたから、お言伝だけをいたします」

「親分……が来たのかい?」

「ええ、つい窓の下まで」

ドキと不安を呼ばれたお粂の胸に、あの蒼白にして傲岸な日本左衛門の怒色をふくんだ顔が浮く。