Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「声をたてますよ、いいかい」

「静かにしろ」

「二、三丁先は新花町の番屋がある。お前さんは物盗りならお金をあげるから、この手を放しておくれ、痛いッ、放しておくれッてば」

「小娘にしては、なかなか落ちついたもんだ。おい、もう少し落ちつけよ。物どりには違いねえ、いかにもおれは盗ッ人だが」

「誰か来て下さい――ッ」

突然人を呼ばれたので、日本左衛門の袖がその頭を抑えつけて、少し力を絞ったものでしょう。頭巾と編笠、二ツの影が、降る落葉をあびてもつれ合っている。

「シッ、静かにしろッてえに!」

「く、くるしい」

「何も、お前みたいな小娘を、どうこうする盗賊じゃない」

「手ッ、手を、手を放して下さいよ」

「可哀そうに……」

その美しいもがきに、ちょッと恍惚として、

「放してやるから金切り声を出さないでくれ。いいかね、なるべく殺生はしまいと泥棒の方で願っていても、そッちでヤボな声を出されると、つい、こいつが後を追いかけて行きたがるからな……」

と、何やら魔の目のように目貫の光る刀の柄をたたいて見せて、ふわりと、娘の体を放してやるとよろめいた女帯の間から、リン! といい音がこぼれて落ちたのは、つかい散らした残りの小判の何枚かでした。