Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
掛障子の紙の色が暗い床脇に白く目立って、秘かに罩めた夕暗の中に、人の気配も仄かであります。
音もなくあいた襖すべりに耳をとめて、相良金吾は床の上から――
「お粂か」
と、膝にのせた了戒の刀を重そうに向き直りました。
「――お支度は」
「ととのえておる」
うしろ向きに立って、お粂が丹前をぬぎすてると、白い肌の曲線が、手早く次に羽織る着物に隠されて、さやかな衣ずれの音と共に、豊熟な女の匂いが部屋いッぱいにひろがって、さし俯向いている金吾の胸にも悩ましそうでありました。
「お粂……」
金吾は憂鬱に額を抑えて、
「わしは止そう、どう考えても、そうしておられる体ではない……」
「あれ、またそんな」
男の体へふわりと絡んで、
「どうしてあなたは、そうすぐに気が変るんですえ? もう駕まで頼んでしまったじゃありませんか」
「…………」
「あなたにしても、いつまでお体がこんなでは、どうジリジリあせッて見たところで、仕様がないことでございましょう」
「といって、このままお前と湯治場へなど、なんで暢気らしく出かけられようか」
「遊びに行くという訳じゃなし、あなたの御病気をなおしに行くんですよ」