Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

馬春堂は一も二もなく尻ごみして、

「乗れません、はい馬になぞ、元来、乗ったことのない売卜者でございますんで、どうぞ、そればかりは御用捨を」

「乗れないことはないッ、乗れと申すに乗らんか」

「でも、まったく、馬術のおぼえがございません」

「おぼえがなくとも大事ない。乗れッ」

「だ、駄目です、こればかりは」

「まあいい。教えてつかわすから、その鞍縁へ手をかけて見ろ」

一難去ってまた一難。あわれに馬の尻を見ている、馬春堂の泣きたそうな顔です。

「これくらいの馬に乗れないとは世話のやける男だ。ええ、面倒くさい」

そういうと、癇癪を起した一人が、いきなり馬春堂の襟髪をつかんで、取って投げるように肩へ引ッ懸けたかと思うと、

「やッ」

と、鞍の前壺へほうり上げて、自分もそれへヒラリと飛び乗ると、かれの体をしっかと膝へ抱きこみました。

「むッ……、苦しい」

それや苦しいでしょう、無理はない。馬春堂はゆうべからの半死半生。

亀泳ぎをしてもがきましたが、そのはずみに、かれの手を離れて、駒の足元へカラリと落ちた一個の箱がありました。――落ちた途端に蓋がとれて、その中からころころとおどり出したのは鬼女の仮面、口は耳まで裂け、眦をつり、青隈の色も物すごく、大地へピタリとすわッている。