Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

床には、探幽斎の筆、水墨の大幅が掛けてあったが、紙燭のゆらぎに浮いて見えるのは、その絵ではなく、画幅を無残にして遺憾のない大きな文字で、

緑林涼風日本左衛門のこす。

と、なすり付けてある墨痕でありました。その不敵な筆法は、これに目を瞠るものを嘲るように生々とした墨色です。

「万太郎ッ」

義通は激しい声で、不意に、弟の肩をつかんで、

「出目洞白の面を、かような所へ置きすてておいたのはその方か」

「はい!」

と万太郎は、やり場のない怒った声で、

「はい、私ですが」

「な、なぜ、そんな不始末な……」

「兄上」

「そちは身の行状の悪い通り、何事にも、ふしだらでいけないッ。殊に、品もあろうに」

「いや、お待ち下さい。私は兄上の許しを受けて、いつか、舞を催しました折に拝借したので、決して、無断に持ち出した次第ではございませぬ」

「黙んなさい! そちはその後、納戸の者に渡して面箱は宝蔵へ返したと言っておったではないか。それも単に秘蔵の品というならばとにかく、文照院様から拝領の鬼女面、年ごとの西之丸の御能には、ぜひとも柳営に持って伺候せなければならぬ」

義通は唇をわなわなさせ、あくまで、詰責してやみません。