Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「前の方?」

「はい、代が変っておりますよ」

と、かみさんの綺麗なおはぐろ歯が笑みこぼれる。

聞いてみると、店は居抜でトウから売りにかかッていたが、先で急に値段を見切ったので、この人々は俄に今朝金の取引をすまし、ここへ移ってきたばかりだとのこと。

明け渡した新助や浪人の住居は、どこへ変ったか、主人でも居なければ……と極めて曖昧な話に、金吾は、しまった! と叫びながら菅笠を持って往来に飛び出しました。

「あっ、もし!」

かれに続いて四ツ目屋の露地から、ひとりの男が手をあげて、

「もし、お侍さん、お侍さん」

草履が砂をとばしたが、金吾はカッとした気味で、耳にも入らず早足に横丁から雷門の裏小路へぬけてしまう。

「もしッ、お侍さんてば!」

やっと、その男が先の袖をとらえ得たのは、観音堂の境内、いちょうの葉に水の見えない池のそばで、

「ああ、息がきれた……」と胸をたたきながら小腰をかがめ、

「少しお話したいことがあって、四ツ目屋の露地から追いかけて参りました。恐れ入りますが、向うの淡島堂の裏へ、ちょッと、お体を貸して下さいませんか」

と、甚だ馴々しい物腰であります。

不審な目を瞠って、金吾はまずこの唐突な町人に一瞥を与え、おもむろに考えたことには、ははあ此奴、四ツ目屋の露地から出てきたといえば、或いは鼠賊の中の一匹ではないか