Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「それッ、高麗村に案内してやる!」

とばかり、駕もろとも万太郎は、笹や灌木の枝をザザザザザ――と摺って、高い岡窪地の底へ、ドウンと、勢いよく手を放されたものらしく、身は転々と転落して、その落着きを知りません。

ややあって万太郎は、ハッと正気に回った様子。

意識を得て、彼は初めて、自分が幾刻か、あのまま気絶していたことを知りました。

そして、吾に回るや、

「ウーム、憎ッくい奴!」

と、憤ろしき呻きをもらしましたが、箱詰同様な駕の中、早速に、手も足も出たものではない。

しかし、その駕があるため、あの高い所から転落しても、かすり傷一ツなかったのは一面の僥倖でしょう。

駕は苦もなく破れました。

彼は脇差を以てメチャメチャに突き破り、乱鬢となって這い出しました。

地上に星がまたたいている。水があるなと歩み寄って、小さい泉へ身をかがめ、口をつけて美味そうに吸いこみます。泉に映れる星影が、万太郎の口へ幾つもはいったような風に見える。

ついでに、脇差の笄をぬらし、鬢の乱れをなでつけて、衣紋を直した落着きは、こんな場合にも、さすが尾張の御曹司です。

と――その時、どこかでゆるい笛の音がする……笛につれて太鼓……太鼓につれて小鼓、大鼓。