Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「だけれど、よくお前さんのような、すごい人相をしている年寄について来たもんだね」
「馬鹿アいえ、おれのような、親切なおじいさんがあるものか」
こう笑いながら半五郎は、お常に追い注ぎをさせて、杯を膳の隅へおき、
「――歩きながら話を聞いてみると、まんざら気狂いでもなさそうだ。家はときくと、無いという、親はと聞くとカブリを振る、行く先はときくと、自分でも分らないといやあがる……。は、は、は、は……そこでお連れ申して来たのよ、こんな功徳はねえだろう」
「だが、おやじさん。そしてあの女をどうする気?」
「どうするって、何が、どうだ?」
「まさか、その年で、浮気沙汰でもないだろうしさ」
「有難いな、おめえもその年で、すこし妬いてくれるところは有難い。――だがお生憎さまだ、色よりは慾の一本道、すこし餌をならしておいて、中仙道の流行ッ子にしてやるのよ」
「流行ッ子たあ、なんのことさ」
「――善哉善哉。そんなこたアあとで分るよ。お常、前祝いだから今夜アもう一本つけねえ」
「ごきげんだよ、いつになく」
「そりゃ、うれしい事のある時は、酒も素直にまわるというもんだ。おめえも喜びねえ、近いうちにゃ、チリン、チリン、チリン……悪かアねえな、うふ、ふ、ふ、ふ……」