Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
おうというのだけはおそろしく近く聞こえました。
「――九兵衛か」
「お気がつきましたな」
「どうしたのじゃ……おれは?」
「魔薬に酔わされたのでございますよ。お粂のやつにうまうまと」
「……不覚だッた。おれとしたことが、恥かしい不覚だった」
「あなたはいつも、お粂の毒を忘れるからいけません。花を見ると、そのきれいなことだけ、誰しも心をうばわれますから」
「しかし、この屋敷はどこだろう」
「山田不孤庵という町医の家でございます」
「そこへたれが連れて来た?」
「この九兵衛が」
「そのお前は床下にいる」
「はい、床下に来ております」
「解せんなあ、夢のようだ」
「わかるはずがございません。――あの時、お粂はあなたをあの家の奥に眠らしておいて、楽屋へ行ってしまいました。さだめし、小屋から帰って来たあとで、また手を変えて、ゆっくりいちゃつく考えだったでございましょう」
「…………」
「金吾様、聞こえますか」
「聞いておる」
「ところが」
「ウム」
「それを嗅ぎつけた千束の稲が、この九兵衛を出し抜いて、金吾を殺ったと親分へ手がら顔をする気かなんかで、お粂の留守におしかけました。あなたは魔薬にかかっている。