Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

「もし、そこに居るなあ、金吾様じゃございませんか……」

「お、九兵衛か」

かねて約束のある事です。金吾もすぐにこう応じて、

「そちの来るのを心待ちにしておった。して今夜、自分にここへ参れと言ったのは、何か、改まった用談でもあるのか」

九兵衛は寄り添って腰をかがめながら、

「そのつもりでございましたが、何しろ、両方に膳支度が出来てしまって、箸を取っていただくばかり、今ここで、細かい話をしているまもございません。とにかく、鼻寺の方はあと廻しにして、お粂を先に片づけてはどうでございますな? いいや、そのお粂なら、九兵衛が口車にのせて、畷の辻堂まで運んで来てありますから、なんの造作もない仕事で」

こう独り呑みこみに、彼がすぐあとの道へ取って返して行きますので、何を問うまもなく、金吾もまたそれに尾いて荒川の畷へ急ぎました。

暫く行くと振顧って、

「金吾様、あれに辻堂が見えましょう――あの松の木が二、三本見える下の藪に」

「うム」

「そこにお粂が待っているはずです。あっしが先にそばへ行って、逃げねえようにしますから、足元へ突き出すまで、あなたは黙って見ていておくんなさい」