Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「そう……」月江はホホ笑みながら、次郎の肩へやわらかい手を廻して、
「おまえ、私をおぶうときまりがわるいの」
「だって、お嬢様は、女だもの」
「でも、主従だから、人が見てもおかしくはないはずだろう」
「だって女だもの。お半長右衛門みたいだ」
「あら。おまえお半長右衛門なんてことを知っているの」
「熱海にいた時、おりんさんが貸本屋から借りたのを、読んで聞かせてくれたんです」
「まあ。おりんはあんな本ばかり好きなんだね。そしておまえは、そのお半長右衛門の話が分ったかえ?」
「分らない」
「分らないくせに覚えているの」
「絵が描いてあったんで、なんだか、お嬢様をおぶって川を渡っていると、おいらが絵になったような気がしたんですよ」
「ホホホホ、じゃ、その絵にあった長右衛門も、次郎みたいに、般若の仮面をかぶっていたかえ」
「ううん、もッと、きれいな男でした」
「女も、私よりずッと美しい、京鹿の子の帯をしめた娘でしょう」
「でも、女の方は、その絵よりもお嬢さんの方がなお美しい」
「嘘ばッかり」
と、月江が次郎の喉をしめるようにしますと、彼の胸は激しい動悸が打って、仮面の中の顔が火のように燃えました。