Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
探しぬいていた月江と次郎が、その戸の外に立っていようとは夢にも予想しない事ですから、胆をつぶして、にわかに会話を合すこともできない。
だんだん事情をたずねてみますと、おりんは気を失って、自分が土の下になった意識もなかったそうです。彼女が気がついてみた時には、この空屋敷の縁がわにあげられていて、板の間の冷たさに身ぶるいをすると共に、口の唾液に丹薬のにおいが胸までひろがって、清々としたそうです。
そうして、彼女が何気なく立とうとすると、奥の方で、こういう男の声が聞こえたといいます。
(お女中、べつに怪我もないようだから、もう安心するがいい。手足を洗うならば、風呂場に火打石も薪もある、ともあれ、夜中では里へも出られまいから、今夜はこの空家にやすんでゆくとするさ。どこでもすきな部屋へはいって、有合せのものを着てやすむがよい。ただ、灯や火の気は禁物、用がすんだらすぐ消しておくことだぞ)
そう聞こえたのは、三間も四間もへだてた薄暗い奥の座敷で、ことばの主の姿は見えない、ただほのかに、青い蚊帳の波がよれていたそうです。
明りがないので、どこの部屋も厚ぼッたい暗が四角に区ぎられてあるのみです。