Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「おう……たいそうな人だな」
何の気なしに、釘勘と金吾が、そこの肘掛け窓をあけて、あなたの群衆に目をやりました。
群衆の上には、舞台が見える。舞台の板には舞人や楽人の姿が見えます。――と釘勘はその笛吹きのなかに、一人の奇怪なる男を見つけました。
吹いてる! 吹いてる! 夢心になって吹いている! 鎌倉舞の笛を吹いている!
その男は、道中師の伊兵衛に相違ありません。伊兵衛は例の阿佐ヶ谷組の神楽師の仲間にまじって、いかにもいい気持そうに、また得意げに、笛の高音を張りあげております。
「ほ……伊兵衛が居る」
「なるほど、道中師の伊兵衛ですね。あの野郎、妙な所で笛を吹いていやがるが、何しにこんな所へ舞い込んで来たのだろうか」
釘勘と金吾の二人は、腕をこまねいて社家の窓から彼の挙動を注視しておりましたが、神楽堂の上の伊兵衛自身は、笛に熱しきッていて、今は、笛以外何ものも知らない顔つきでした。
「うむ、そうだ」
不意に釘勘が席を立ったので、金吾は彼の身ごなしに、早くも察したものがあって、
「止せ止せ、釘勘。あんな者をこの場合に、召捕ったとて始まるまい」
「目にとまらなければそれまでの事、べつに気にもなりませんが、大勢の頭の上で、しゃあしゃあと笛を吹いているのを見ると、どうも目明しの職分として虫が納まりません」