Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans

Aozora Bunko

が、彼の左の脇の下で、バキッと二つに折れたかと思うと、金吾の足元にその半分の板がカラリと落ちます。

しかし、金吾はそれをどれ程大切な物ともまだ知っていないので――また知っていてもそれを拾い取っているような余裕は無論なかったので、ただ、彼の喉輪にかけた腕を死すとも離すまいという懸命をこめて、さらに相手の体をあとへねじる。

でんと、そこへ同体になって仆れたせつなでした。変を知って飛び起きた釘勘、その他、狛家の飼侍たちが、一時にドドドッと馳け集まって来た気配です。

吠えるように耳をうった日本左衛門の一息が、足業にかけて金吾の体にもんどり打たせたのもその瞬間でした。――そしてそこへ真っ黒に見えた郷士たちへ不意を衝いて、一方のふすまをサッと開けたかと思うと、彼の姿は、忽然と一室の暗に呑まれてしまいました。

血眼になった金吾と釘勘が、すぐそのあとへ駈け込んでみると、もう次の間のふすまが開いている、そこへ入るとまた次の部屋へ、次の室へはいるとまたその先に、十方の通路は彼の行くままに口を開いていて、人数ばかりいたずらにふえても、彼の姿はふたたびそこらの長押の上にも見つからない。