Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Lisez 江戸三国志 (えどさんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 577 271 caractères · 1141 écrans
「気狂い! 色情気狂い!」
と罵りながら、キャッキャッと笑ってしまいました。
そしてまるで、盲目的になって寄って来る狒々隠居を、力まかせに突き飛ばして、
「私は夜鷹じゃないんだからね、誰がいつ、おまえなんぞに買われると言ったの。知らないわよ。ばか!」
と、簪の光を振って、怒りました。
「何だと、この阿女め」
性懲りもなく、また飛び起きて来た好色なおやじは、猫が小鳥へかかるように、ぬッと舟べりへ出て来ましたが、同じ怒り猛るにしても、彼がそうして追い廻すことは、かえって強い興味であるらしいのです。
けれどお蝶は必死でした。
女色を漁り飽いたこの隠居の変態的な獣情を解していたなら、彼女もさほど狼狽はしないでしょうが、彼の眼色、彼の血相、これは本気に自分を殺す気ではないかと、怖れをなして逃げ廻る。
隠居の手にはいつのまにか、短い刃物が握りしめられています。それとて彼には、実は興味を助ける一つの小道具でしかないのですが、霜夜の川の波明りをうけて、凄い光をギラギラと持っています。
「逃げると殺すぞ。さ。中へはいれ。逃げると殺すぞ」
そう言いながら、苫を伝わって舟べりを追い廻すと、お蝶も同じように逃げ廻って、彼が舳に来れば舟尾の方へ、舟尾へ来れば舳の方へ、鼬鼠ごッこにかわしていました。