Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

萩丸は足を止め恍惚とした気持ちで、娘の姿を眼で追った。

「伊織」

と萩丸はうつろ声で云った。

「山門の方へ行ってみよう」

「は」

と伊織は解せないように、

「山門の方から参りましたのに……」

「山門の方へ行ってみよう。……娘が……いやいや……行ってみよう」

萩丸はそっちへ歩き出した。

(変だなあ)と思いながら、伊織はその後から従いて行った。

(若い奴らは何をすることやら)

こう思いながら作右衛門も、ソロソロとその後から従いて行った。

と、そういう三人を、群集に雑って松浦民弥が、微笑を含みながら眺めていたが、

「菊女殿なかなかお上手じゃ。……とうとう萩丸殿をお釣りなされた」と、口の中で呟いた。

ところがそういう民弥の姿を、水茶屋の牀几に腰をかけて、眺めている妖艶の年増女があった。

めざましいまでに美しい女であった。

京都型とでも形容しようか、どっちかといえばふとり肉で、顎は二重にさえくくれていたが、それさえ美しく眺められた。身長も充分高かった。

この日は大店の内儀風に、その躰を装っていたが、櫛巻に絞りの浴衣、そういう伝法の姿をしても、金糸銀糸で刺繍をした裲襠、そういうもので飾っても、どっちも似合いそうな女であった。