Classiques japonais avec furigana
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ねこののみとりぶし
猫の蚤とり武士
国枝 史郎
Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans
で、どうぞあなた様には、ここにいつまでもおとなしく――わたくしの帰って参りますまで、じっとしておいでなさりませ。たとえ誰が参りましても、決して声を出しませぬよう」
「ああ俺はおとなしくしているよ」
萩丸は素直にそう云ったが、その眼は涙でいっぱいであった。
「その代わり菊女や早く帰ってねえ」
「ハイハイ早くかえりますとも」
櫃へ蓋をして二階を下り、菊女は裏門の方へ行ってみた。
今にも門が破られようとしている。
(わたし一人が勢に加わって、戦ったところで仕方がない。……それより援兵を頼んで来よう)
こう菊女は考えた。
というのは恐らく兵庫も民弥も、敵の一手が屋敷へ殺到し、裏門を改めているということを、知らないでいるに相違ないと、そう感付いたからであった。
(兵庫様のもとへ走って行き、事情を告げて援兵を!)
見れば木立に数頭の馬がつながれ、四足をバタバタと動かしていた。
「よし」
というとその一頭を、木から放してくつわをとった。
土塀の一所に横門がある。
で、そこから乗り出そうとした。すると矢束を胸に抱えた、甚吉という老人が、母屋の方から走って来た。
「甚吉さーん」