Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねこののみとりぶし

猫の蚤とり武士

国枝 史郎

Lisez 猫の蚤とり武士 (ねこののみとりぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 496 caractères · 368 écrans

Aozora Bunko

という考えだけに充たされていた。

(どうしたら洞外へ出られるか?)

どっちみちこんな闇の中に、突っ立っていたのでは仕方がない。

(歩こう、ともかくも、……ともかくも歩こう)

で、彼は歩き出した。

十字路!

丁字路!

三叉路!

道は枝から枝が出て、どっちへ行ったらよいものか、どうにも見当がつかなかった。

でも彼はともかくも歩いた。

と、不意に行手にあたって、松明の火が見えて来た。

(はてな?)

と三十郎は驚いた。

(松明の火が見えるとは?)

自分たち以外にこの洞窟の内に、人がいようとは思わなかったのに、松明をともして人がいる。

これは驚くのが当然であった。

(何者だろう?)

不安であった。

自分の部下たちが自分を案じて、探しに洞内へ来たのだろうか?

この島へ渡って来ていたところの、紀州藩士の連中か、やはりこの島へ来ているという、明暦義党の連中かが、このお蔵の秘密を知って、それをさぐりに来たのであろうか?

(何者だろう?)

(ちと心配だ)

そう、このお蔵の秘密を知って、魚屋の財宝を獲得するために、ここへ入り込んで来たものとすれば、三十郎にとっては競争相手で、用心しなければならない訳であった。